クリスティー文庫72 中村能三訳 2004年
- 茶色の服の男 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/早川書房
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【アン・ベディングフェルド】考古学者の娘。漆黒の髪、緑の目。機知に富む冒険好きな女性。
【チャールズ・ベディングフェルド教授】アンの父。旧石器時代の考古学者。リトル・ハンプスリーに娘と二人暮らし。ハンプスリー地下洞窟の発掘をしている。
【エミリー】ベディングフェルド家のメイド。
【フレミング】ロンドンのケンジントンに住むベディングフェルド教授の弁護士。長身の細面、灰色の髪。
【フレミング夫人】がっしりして穏やかそうな良妻賢母型の婦人。
【マダム・ナディナ】ロシアの踊り子。
【ジャンヌ】ナディナの衣装係。
【セルギウス・パヴロヴィッチ伯爵】ナディナの旧友。中背、ほっそりとして優雅、顔色は青白い。元、ロンドンのミュージックホールの早変わり芸人。
【L.B.カートン】地下鉄で死んだ男。小柄で痩せていて、顔は真っ黒に日焼け、目は青、小さな黒い顎ひげ。
【ド・カスティナ夫人】ミル・ハウスの身元不明遺体が自称していた名。
【サー・ユースタス・ペドラー】下院議員。ミル・ハウスの所有者。陽気で太った男。
【ガイ・パジェット】ユースタスの秘書。熱心で辛抱強くよく働くが、不吉で陰険そうな顔をしている。
【ハリー・レイバーン】ユースタスの秘書。日に焼けた体格のよい青年。眼の端から顎にかけて斜めに傷跡が走っている。
【ミス・ペティグルー】ユースタスの秘書。40歳前後、鼻眼鏡をかけている。
【ジャーヴィス】ユースタスの執事。
【キャロライン・ジェイムズ】ミル・ハウスの庭師の妻、ミル・ハウスの料理人。
【ジョン・ジェイムズ】ミル・ハウスの庭師。
【メドウズ警部】スコットランド・ヤードの、ミル・ハウス事件の担当。赤毛の小男。
【オーガスタス・ミルレイ】政府の外交担当。
【スマッツ将軍】南アフリカの要人。
【ナズビー卿】デイリー・パジェットの社主。大金持ち。大きな頭、大きな顔、大きな口髭、大きなお腹。
【スーザン・ブレア】社交界の花形。30歳ぐらい、中背、色白、えくぼのある丸顔、青い眼。
【クラレンス・ブレア】スーザンの夫。外務省勤務。
【レイス】大佐。40歳ぐらい。黒髪、日焼けした顔、長身の美男子。
【エドワード・チチェスター】宣教師。
【リーヴズ】南アフリカ連邦労働党の大物。
【サー・ローレンス・アーズリー】南アフリカの鉱山王。
【ジョン・アーズリー】ローレンスの息子。英領ギアナのジャングルで、ルーカスとダイヤモンド鉱床を発見したとされる。
【ハリー・ルーカス】ジョンの親友。父親は退役軍人で、ローデシアへ来て農業をやっていた。ジョンとはケンブリッジで知り合った。
【アニタ・グリュンバーグ】ジョンとハリーがキンバリーで出会った魅力的な女性。
【バタニ】レイバーンの使用人。
【ネッド】リヴィングストンにいるハリーの友人。民芸品の店を経営している20歳ぐらいの青年。
【アーサー・ミンクス】役者。
【大佐】正体不明の人物。
【茶色の服の男】ミル・ハウスに訪れたところが目撃されている謎の男。
《ブロークン・ヒル鉱山》北ローデシア、古代人の頭蓋骨が発見され、ベディングフェルドは発掘に行こうとするもかなわずに病死。
《ミル・ハウス》テムズ川のほとり、マーロウにある館。
《ハイド・パーク・コーナーの地下鉄駅》アンが、L.B.カートンの事故現場を目撃する。医者と名乗る男(背が高く、肩幅が広く、黒っぽいオーバーに黒のブーツ、山高帽をかぶり黒いとがった顎髭を生やして金縁の眼鏡をかけている)にも会う。
《サウサンプトン》アンの乗った船が出港した港。イギリス南部、ポーツマスの西にある。
《ケープタウン》アンの乗った船の行き先。南アフリカの西側の海沿いにある街。途中、ビスケー湾(フランスの西)を通り、マデイラ(ポルトガル)に停泊。テネリフェ(モロッコの西にある島)のグランド・ピークを臨む。
アンたちはケープタウンに到着後、マウント・ネルソン・ホテルに向かう。アンたちが下船後、船はその翌朝ポート・エリザベスとイースト・ロンドンを経てダーバンへ。
《ミューゼンバーグ》ケープタウンにある街。アンが招待を受けた街。サー・ローレンス・アーズリーの別荘がある。
《ダーバン》南アフリカの東側の海沿いにある街。ケープタウンから、航路と汽車とがある。
《アダリー・ストリート》アンが汽車に乗ってケープタウンから乗って来ていたユースタスたちと合流したところ。汽車はデアール、キンバリー、ヘックス・リヴァー渓谷、カルー草原、ベチュアナランドを経由して、ローデシアに向かう。
《ブラワヨ》アン一行が汽車から降りてホテル滞在した街。その後また汽車に乗り、ヴィクトリアの滝に向かう。
《マトポス》英国のケープ植民地首相、セシル・ローズの墓がある街。
《ヴィクトリアの滝》リビングストン近くにある。一行がホテル滞在する。
《ヨハネスブルグ》南アフリカの都市。革命騒ぎ、労働者たちのストライキが起きている。
《ラント》ウィトワーステルラント。ヨハネスブルグ付近の高原地帯で、世界最大の金鉱地帯。
《ベイラ》モザンビークの海沿いの街。
《プレトリア》南アフリカ、ヨハネスブルグの北にある都市。
《ローデシア》北は現在のザンビア、南は現在のジンバブエ。この小説の舞台は主に南ローデシアとなっている。この小説の1924年当時、イギリスによる植民地支配下だった。
《ボーイスカウトについての言及》
P.124「ボーイ・スカウトの標語にもあるように、“何事にも備えあれ”だ!」
イギリスはボーイスカウト発祥の地である。アガサの小説には時々、ボーイスカウトがチョイ役で出て来たり、
比喩として使われたりしている。
《献示》E.A.B