クリスティー文庫52 坂口玲子訳 2004年
- おしどり探偵 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/早川書房
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【トマス・べレズフォード】赤毛の青年。秘密情報局に勤めている。タペンスと6年前に結婚した。
【タペンス・べレズフォード】トマスの妻。夫婦そろって冒険好きで探偵小説好き。探偵事務所ではミス・ロビンスンと名乗る。
【アルバート】べレズフォード夫妻の手伝いを執事気取りでしている15歳の少年。
■アパートの妖精 A Fairy in the Flat
【カーター】情報局長官。背の高い白髪の男。トミーに仕事を持ってくる。
【シオドア・ブラント】探偵事務所の所長。
■お茶をどうぞ A Pot of Tea
【ローレンス・セント・ヴィンセント】チェリントン伯爵の甥。
【ジャネット】ブルック・ストリートの帽子屋「マダム・ヴァイオレットの店」の売り子。赤毛、高めの身長、ダークブルーの瞳。
■桜色真珠紛失事件 The Affair of the Pink Pearl
【ベアトリス・キングストン・ブルース】背が高く、黒髪。セント・ヴィンセントから聞いて探偵事務所に来た。ウィンブルドン、エッジワース・ロードの「月桂樹(ローレル)荘」に住む。
【アラミタ】タペンス夫妻にコルク抜きを送った叔母。
【キングストン・ブルース大佐】短く刈り込まれた白い口髭の長身の男。いかにも軍人風。
【キングストン・ブルース夫人】ブルース大佐の妻。
【レディ・ローラ・バートン】ローレル荘の客。背の高い痩せた女。鼻メガネをかけている。
【キャロウェイ伯爵】レディ・ローラの亡父。
【エリーズ】レディ・ローラのメイド。フランス人。
【ハミルトン・ベッツ】ブルース大佐のアメリカの友人。
【ベッツ夫人】桃色真珠のついたペンダントの持ち主。大柄な女性で、確信に満ちた物言いをする。
【グラディス・ヒル】ローレル荘の客間のメイド。
【アリス・カミングス】ローレル荘の家事使用人。
【セント・ヴィンセント】ローレル荘の客。
【レニー】社会主義者。仕立ての悪い服を着ている。キラキラした黒い目が印象的なひょろりとした青年。
【マリオット】スコットランド・ヤードの警部。
p74トミー「きみはこの前友達のジャネット・スミスとグルになってぼくをだましたろう。」
> 「お茶をどうぞ」のジャネットのことであろう。すると彼女の旧姓はスミス。
■怪しい来訪者 The Adventure of the Sinister Stranger
【フランシス・ハヴィランド】戦時中、タペンスが運転手をしていた将軍。
【グレゴール・フョードルスキー】手紙の差し出し人。
【チャールズ・バウアー】医者。ハムステッドで開業している。カラマツ荘に住む。
【バートラム、ヘンリー】バウアーと同居している甥。
【ディムチャーチ】スコットランド・ヤードの警部。ずんぐりむっくりで抜けめのない目をしている。
【コギンズ、ヴァシーリイ】悪党の一味。
【マリオット】スコットランド・ヤードの警部。
■キングを出し抜く Finessing the King
【アーサー・メリヴェール卿】長身で痩せた男。
【ヴィア・メリヴェール】アーサーの妻。
【ビンゴ・ヘイル】アーサーの友人。
【マリオット】スコットランド・ヤードの警部。
■婦人失踪事件 The Case of the Missing Lady
【ガブリエル・スタヴァンソン】探検家。身長六フィート以上、日焼けした顔とブルーの瞳。
【モーリス・リー・ゴードン夫人(ハーマオイニ・クレイン、ハーミイ)】ランチェスター卿の二番目の娘。背の高いほっそりとした女性。
【レディ・スーザン・クロンレイ】ハーマオニの叔母。ポント・ストリートに住む。太った婦人。
【ロバート卿】故人。猫が嫌い。
【ホリストン】穀物倉(グレンジ)荘で療養所をしている医者。長身で、黒い口髭をきれいに刈りこんでいる。
【ブレディ】トミーの知り合いの医者。
■目隠しごっこ Blindman's Buff
【ブレアガウリー公爵】白髪混じりの男。
【ハーカー大尉】ずんぐりとした男。
■霧の中の男 The Man in the Mist
【マーヴィン・エストコート(バルジャー)】トミーの友人。
【ギルダ・グレン】女優。黄金色の髪、つぶらな青い目、すらりと高い背の美人。
【レコンベリー卿】長身で白髪混じりのぽっちゃりとした顔の男。
【ジェイムズ・ライリー】詩人。
【ハニーコット夫人】モーガンズ・アヴェニューのホワイト・ハウスに住む。
【エレン】ハニーコット夫人のメイド。
【マーヴェル】弁護士。
■パリパリ屋 The Crackler
【レイドロウ少佐】競馬好き。長身で、肌は白く髪は金髪。
【マルグリート・レイドロウ】レイドロウ少佐の妻。ほっそりとした体つき、かわいらしい片言英語。
【M.エルラード】レイドロウ夫人の父。ピンとまっすぐな体、黒い小さな口髭、油断のない目。
【ジミー・フォークナー】賭博クラブにいる若者。
【ハンク・P・ライダー】マルグリートの崇拝者の一人。アラバマ出身の大金持ち。
【セント・ヴィンセント】レイドロウ夫妻の知り合い。
【マリオット】スコットランド・ヤードの警部。
■サニングデールの謎 The Sunningdale Mystery
【アンソニー・セッスル大尉】ヤマアラシ保険会社をホラビー父子と共同経営している。
【ホラビー】セッスル大尉の友人。
【バーナード少佐】ゴルフ場でホラビーたちと会った人物。
【レッキー】ゴルフ場でホラビーたちと会った人物。
【ドリス・エヴァンズ】小柄で金髪のタイピスト。
■死のひそむ家 The House of Lurking Death
【ロイス・ハーグリーヴズ】若くてすらりとしている。金髪。とても魅力的な女性。サーンリー農場に住む。21歳。
【バートン】医者。背の高い年配の男性。
【レディ・ルーシー・ラドクリフ】ロイスの叔母。
【デニス・ラドクリフ】レディ・ラドクリフの亡夫の甥。
【ハロウェイ】料理人。
【ローズ】ハロウェイの姪、台所仕事担当。
【ハンナ】メイド。
【エスター・クアント】客間係。もの静かな娘。
【ミス・ローガン】亡ルーシーの話し相手、現在は屋敷をきりもりしている。
【メアリ・チルコット】ロイスの学生時代の友人。背が高く、日焼けした顔に青い目。
【エドワード・ローガン】『医学全書』の著者。ミス・ローガンの父。
■鉄壁のアリバイ The Unbreakable Alibi
【モンゴメリー・ジョーンズ】ジャネット・セント・ヴィンセントの知人。人当たりのいい素直そうな顔立ち、とても背が高い青年。
【レディ・アイリーン・モンゴメリー】モンゴメリー・ジョーンズの母。
【ユーナ・ドレイク】オーストラリア人。冒険好き。
【ル・マルシャン】ユーナの友人。
【デッキー・ライス】ル・マルシャンの友人。トーキーに伯母がいる。
【ジェーン】タペンスの友人。
【オグランダー夫妻】ル・マルシャンの知人。
【マージョリー・レスター】ユーナと一緒に部屋を借りている女性。クラージス・ストリートのアパートメント。
■牧師の娘 The Clergyman's Daughter
【モニカ・ディーン】牧師の娘。すらりとした体つき、灰色がかった茶色の髪、ダークブルーの瞳。
【オニール博士】自然科学研究協会のメンバー。
【クロケット】〈赤い館〉の使用人。
【ジェラルド】技師。
【パートリッジ】金持ちの青年。
p353タペンス「だれにでも起きることなの。わたしのときもそうだったわ」 >
秘密機関のこと!
■大使の靴 The Ambassador's Boots
【ランドルフ・ウィルモット】アメリカ大使。もったいぶった話し方をする。
【ラルフ・ウェストラム】上院議員。
【リチャーズ】ウィルモットの従僕。
【アイリーン・オハラ】船の客。黒髪。
【シスリー・マーチ】金髪の美しい女性。
【グレイス】スコットランド・ヤードの警部。
■16号だった男 The Man Who Was No.16
【カーター】情報局長官。
【ウラディロフスキー公爵】中背で優雅な物腰の、金色の顎髭をはやした35,6の男。
【セルギウス、マリーズ】スパイの一味。
【コートランド・ヴァン・シュナイダー夫人】ホテル・ブリッツの客。
【エヴァンズ、クライデスリー】カーターの部下。
【M.ポール・ド・ヴァレズ】病身のフランス少年。
<<挙げられている推理小説>>
引用の()内解説も、本からそのまま引用したものです。
p16タペンス「このアパートにほんものの生きた妖精がいるなんて。コナン・ドイルに手紙で報告する?」
>>アパートの妖精
p46タペンス「たとえばあなたがソーンダイク博士(フリーマン作の法医学探偵)になるのは難しいんじゃない?」
p46トミー、ポアロの有名なセリフを引用する。「モナミ、きみの灰色の脳細胞をつかいたまえ」
p52タペンス「さしずめ助手のポルトンってとこね」
>>桜色真珠紛失事件
p87トミー「ぼくらはオークウッド兄弟(ヴァレンタイン・ウィリアムズが創造したデズモンドとフランシスの兄弟探偵)になろう!」
p98トミー「これはワニ足ものじゃない。ブルドッグ・ドラモンドもの、そしてきみは比類なきカール・ピータースンだ」(サッパー作『ブルドッグ・ドラモンド』は快男児ドラモンドを主人公とする冒険探偵小説。カール・ピータースンは悪役であろう)
>>怪しい来訪者
p108トミー「栄光はきみのものだ、とまあ、ハンプティ・ダンプティならいうだろう」
p113タペンス「灰色の脳細胞を使いたまえ、モナミ。」
p113トミー「おしのびマッカーティという線だろう。するとぼくはさしずめ、リオーダンだね」(『おしのびマッカーティ』はイザベル・オストランダーの代表作。警部マッカーティが変装して活躍する)
>>キングを出し抜く
p145トミーはテーブルに置いてあるヴァイオリンを手にとり、弓で一、二度弦をこすった。・・・
タペンス「どうしてもシャーロック・ホームズにこだわるんなら、わたしがステキなちっちゃな注射器とコカインというラベルを貼ったビンを用意してあげる。」
>>婦人失踪事件
p188トミー「ブラウン神父(チェスタトン作のカトリック神父探偵)風とはとてもいかなかったなあ」
>>霧の中の男
p219タペンス「もちろん、あなたがシャーロック・ホームズとソーンダイク博士とマッカーティ警部とオークウッド兄弟を全部ひっくるめたような人間だと本気で思ってるのなら、なにをいっても無断でしょうけどね。」
p220トミー「エドガー・ウォレスの作品を全部きちんと並べるには、」
>>パリパリ屋
p249タペンス「あなたは『隅の老人』(パロネス・オルツィ作の探偵。いつもポケットに紐の切れ端を入れていて、複雑な結び目を作る)のつもりなんでしょ?」
>>サニングデールの謎
p274トミー「メースン(冒険小説、推理小説を多数書いた。フランスの警官アノーを主人公としたシリーズはホームズのフランス版といえる)の小説に出てくる女性みたいだ。」「今朝は偉大なアノーでいこう 」
p282トミー「そう、ヴァン・デューセン(ジャック・フットレル作〈思考機械シリーズ〉の主人公。ボストンの大学教授)とその妹の到着です。」
>>死のひそむ家
p319タペンス「フレンチ警部(クロフツの一連の推理小説に登場するスコットランド・ヤードの警部)ね」「これは絶対にフレンチ警部的事件よ。いつもアリバイ崩しをやってるもの。」
p341トミー「次の事件はロジャー・シェリンガム風でやろうよ。タペンス、きみがシェリンガム役だ」タペンス「だったらおしゃべり屋にならなきゃね」
>>鉄壁のアリバイ
p345トミー「きみはロジャー・シェリンガムになりきろうとしているわけだね」
p346トミー(タペンスを)「秘書のミス・シェリンガムを紹介しておきましょう」
>>牧師の娘
p377タペンス「わたしはかの有名なフォーチューン医師、あなたは警視ベル」(H.C.ベイリー作の本格ミステリの主人公フォーチューンは、スコットランド・ヤードの顧問医師として活躍。助手役は警視ベル)
トミー「なぜ、きみがレジナルド・フォーチューンになるんだ?」
p383トミー「シャーロック・ホームズとバターが沈んだパセリ―いや、パセリが沈んだバターの深みだ」
>>大使の靴
p413タペンス「すべてはちいさな灰色の脳細胞のおかげだわ」
「今度が最後の事件よ。警察が超一流のスパイを投獄したあとは、偉大な探偵たちは引退してミツバチを飼ったり(ホームズの引退後の進路)、ペポカボチャを育てたり(ポアロの引退後の進路)することになるの」
>>16号だった男